はじめまして。平成22年3月より、当院を開設いたしました院長の藺牟田(いむた)と申します。
よろしくお願いいたします。当院の場所は、20年以上前から診療所が営まれており、私で3代目になります。といっても、初代も二代目も血縁はなく、たまたま当地が医療を必要とされるそれに適した場所であったということかと思います。
院長 藺牟田 直彦
私は、内科医ですが、その中でも本来の専門は脳神経内科という分野です。脳神経内科とは、簡単にいえば、脳や脊髄、末梢神経、筋肉などの病気を診る専門家であります。あまりピンとこない、という方もおられると思いますので例えていえば、人間のコンピューターのハードウェア部分とその配線・ネットワークをみるようなものでしょう。コンピューターのソフトの部分に該当する心や精神の問題を診療する精神科や心療内科とは本来は少し異なるものだとご理解ください。
脳神経疾患とは、いわゆる脳の病気、脊髄の病気、末梢神経の病気、筋肉の病気などが該当します。皆さんが馴染みのある疾患といえば、認知症、脳卒中(脳梗塞、脳出血等)、てんかん、さらに日常よくみられる慢性頭痛、めまいといったものが多いでしょう。こういった病気に最も的確な診断やアドバイスができるのは脳神経内科医かと思います。またこれ以外に、神経難病といわれる病気があげられます。それは、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、いくつかの末梢神経疾患、筋疾患などです。これらの病気とお付き合いすることを余儀なくされる患者様は、通院が長年にわたることもあり、遠方のしばしば主治医が転勤で替わる大病院よりも生活圏内にあるクリニックでの診療が望ましい場合も多いと考えています。当院が開業医でかつ、脳神経内科という専門性をもっているのは、そういった患者様の必要性にお応えできるものです。
私がこれまでの長年の勤務医生活で感じてきたことは、内科全般の診療にも通じた脳神経内科医(あるいは、脳神経疾患の知識のある内科医といってもいいかもしれません)が、脳神経疾患の患者さんを診る、というかたちが理想型だということであります。私は脳神経内科の中でも、特に脳血管障害に関心があったこともあり、高血圧、糖尿病、高脂血症など生活習慣病の治療にも多く携わって参りました。また勤務先の関係で、心不全や不整脈といった心臓病、気管支喘息や肺気腫といった慢性呼吸器疾患の患者さんを診る機会も多く、それらがすべて内科全般の幅広い視点から患者さんを診療する現在のスタンスに繋がっていると考えています。
現代医学の発展はめざましく、一個人の診療所でできることは限られているのかもしれません。ですから、近隣にあるいくつかの総合病院や専門医療機関との連携も積極的に進めており、良好な関係を築いております。しかし反対に、こじんまりした診療所だからこそできる血の通った医療もあることでしょう。できるだけわかりやすい言葉できちんと説明をして納得していただく、そしてなるべく不安を持ち帰らないようにスタッフ一同で配慮することを常に目標として診療をしてゆく所存です。どんなことでも、分からないことや、気になったことがあったらお気軽にご相談ください。
院長 藺牟田 直彦