高齢者の肺炎球菌ワクチン予防接種について

肺炎球菌ワクチンで、肺炎から身を守りましょう
肺炎は、日本人の死因の第5位に入る重大な感染症です。 特に高齢になると、体の抵抗力(免疫力)が低下し、肺炎にかかりやすく、重症化しやすい傾向があります。 その中でも最も多い原因菌のひとつが「肺炎球菌」です。 肺炎球菌による感染症は、肺炎だけでなく、髄膜炎や敗血症など命に関わる病気を引き起こすことがあります。 しかし、ワクチン接種によってこれらの重症化を防ぐことが可能です。
👥 接種をおすすめしたい方
次のような方は、肺炎球菌感染症にかかると重症化しやすいとされています。

- 65歳以上の高齢者
- 慢性の持病がある方(心臓・肺・肝臓・腎臓の病気など)
- 糖尿病や免疫低下のある方
- 喫煙習慣のある方
これらに該当する方は、早めの接種を検討しましょう。
💉 肺炎球菌ワクチンとは
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌の感染を予防し、万一感染しても重症化を防ぐ効果があります。
一定の年齢(堺市は65歳)の方は、定期接種の対象となっており、自治体の助成制度を利用できる場合があります。
🧬これまで 2種類のワクチンがありましたが、新たなものがさらに1種類使えるようになりました。
肺炎球菌ワクチンには、現在3つのタイプがあります。
① ニューモバックスNP(PPSV23)
- 「23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン」と呼ばれます。皮下注射です。
- 肺炎球菌の中で、**23種類の型(血清型)**をカバーします。
- 広い範囲の菌を予防できますが、免疫の持続は約5年程度です。
- 主に高齢者を対象とした定期接種に用いられ、初回は補助の対象になる方がいます。
- 5年たつと再接種(追加接種)ができます。その際の補助はでません。
② プレベナー13(PCV13)
- 「13価肺炎球菌結合型ワクチン」と呼ばれます。
- 肺炎球菌の多糖体をタンパク質に結合させることで、免疫記憶がつきやすいのが特徴です。
- 免疫が弱っている方や慢性疾患をお持ちの方にも効果が期待されます。
③ キャップバックス 2025年10月29日より新たに加わったワクチンです
- 「21価肺炎球菌結合型ワクチン」と呼ばれます。筋肉注射です。
- はじめて成人に特化して開発された肺炎球菌結合型ワクチンです。
- 成人の侵襲性肺炎球菌感染症の原因となる血清型の80.3%をカバーしていることが報告されています。
*侵襲性肺炎球菌とは:髄膜炎、菌血症などを伴う重篤な肺炎
- 「結合型(conjugate)ワクチン」とよばれるものであり、従来の多糖体ワクチン(例:23価 多糖体ワクチン)に比べて免疫記憶が働きやすく、抗体の質・持続性が改善される傾向があります。
- 臨床的には、成人でこのワクチンを 1回接種 すれば、予防効果が終生続くので追加接種は必要ないといわれています。
- このワクチンはいまのところ自費のみで公的補助はでません。価格も割高になります。
堺市の 高齢者肺炎球菌ワクチン予防 定期接種
定期接種 (令和7年4月1日~令和8年3月31日)
▷ 堺市ホームページ 高齢者の肺炎球菌感染症の予防接種について がよくまとまっていますので参照してください。
定期接種で使用するワクチンは現時点では、ニューモバックスNPになります。
(過去にニューモバックスNPを1回以上接種された方は、定期接種はうけることができません。)
対象
・接種日時点で 65歳 の方
定期接種の自己負担金 4,000円
無料となる条件の方は証明できるものを当日にお持ちください。
(詳細については 堺市のホームページ をご参照ください)
任意接種の場合 (自費)
ニューモバックスNP
(これまで使用されてきたワクチンです。)
7,500円
7,500円
キャップバックス
(新たに認可されたワクチンです)
14,000円
14,000円
キャップバックスのほうが確かに割高になりますが、従来のニューモバックスが5年ごとに追加接種が必要であったことに比べると、
1回で終わるキャップバックスは、むしろお得ではないでしょうか?
すでに従来の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNPなど)を接種された方
前回の肺炎球菌ワクチン接種から1年以上空けば、このキャップバックスを接種することができます。
キャップバックスは、初回接種でも使用できますが、いまのところ公的補助はありません。
ただしご不明な点があれば、事前にお電話でお問合せいただいても結構です。



























